Black★Joker【完結】
「一箱?お前なめてんの?」
「はいはい、後でカートンを買ってきますよ。つーか、彼女の前で脅すのやめてくんない?」
その言葉にお兄ちゃんは龍馬の後ろにいたあたしに視線を移す。
バチッと目が合った瞬間、あたしは思わずポカーンっと口を開けた。
「……は、は、初めまして!!」
そう口にするのがやっとだった。
龍馬の言うとおり、お兄ちゃんはけた外れにカッコよかった。
多分、テレビに出ていてもおかしくないレベル。
……ううん、違うな。それ以上に……
龍馬もカッコいいけど、それとは違った魅力がお兄ちゃんにはあった。
「美空ちゃーん、彼氏のお兄ちゃんに見惚(みと)れるのやめてもらえません?」
龍馬は眉間に皺を寄せて、あたしの顔の前でブンブンと手を振る。