《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
あたしが口にしたのは、
都内にある高級ホテルの
名前だもの。


それも、ただのじゃない。

海外からのVIP政治家が
泊まったりするような、
『超』がつくレベルの。


「おま……マジでイミ
わかんねーんだけど」


「ゴメンね。着けばわかるから」


あたしだってそんな所、
場所だけで驚かしちゃうの
わかりきってるから、
ホントはイヤなんだけど。

でも、そこで待ってるって
いうんだから仕方ない。



車はスムーズに走り続け、
10分もしないうちに、
ホテルの敷地に入った。


正面口に乗りつけると、
うやうやしい動作でドア
マンがドアを開けてくれる。


何の荷物もないけど駆け
寄ってくれるベルボーイに
『けっこう』と手を振って、
あたしはスタスタと
ロビーに足を踏み入れた。


きらびやかなシャンデリアの
光がまぶしい、豪奢なロビー。


ここには何度か来たこと
あるから、勝手はわかってる。


フロントに向かおうとして……
あたしはハタと足を止めた。
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