君が嫌いな君が好き
―捺side―
「『………………あ』」
悠斗の見開かれた目が私の瞳に映り込む。
『あ、………っ』
「っ!!?」
不意に私が声を零すと、悠斗は慌ててドアを閉めた。
バタン!!
「わ、わわわわわわ悪ィっ…」
『あ、え、ぁっ、うん』
噛み噛みで謝る悠斗。
私は突然のことに動揺してしまい、なんの反論の言葉も無しに許してしまった。
『……………、?』
私は自分の姿をまじまじと見つめた。
私は、ドアの方を向いていて……下着姿で……………………って…?!
『っ///(悠斗にこんな姿を見られたっ?!)』
恥ずかしすぎる。
悠斗とは、幼い頃一緒にお風呂に入ってた。
…けど、それは昔の話だし!!
『最悪っ……』
不注意すぎたっ…。
穴があったら入りたい、ってこういう時に本当に思うんだ…。
見られる前にもうちょっとダイエットしとけば良かった……
いや、悠斗は私の兄なんだから別に自分を綺麗にみせたいとか…そんなんじゃないけど…別に。
『はぁ…』
とりあえず、着替えなきゃ……。
私はタオルで汗を拭いて、水色の水玉模様の部屋着に着替えた。
―捺side end―
(悠斗にどんな顔をして会えばいいの…)