君が嫌いな君が好き
―悠斗side―
「『………………あ』」
俺と捺の視線が合わさる。
『あ、………っ』
「っ!!?」
ピクリ、と捺が動いて俺は急いでドアを閉めた。
バタン!!
「わ、わわわわわわ悪ィっ…」
『あ、え、ぁっ、うん』
俺が噛み噛みで謝ると捺は突然のことに思考が停止したのか、なんの反論の言葉も無しに許した。
「っ…///(あぁーっ、クソ!俺なにしてんだよぉーっ///)」
ドアに背を預け、俺はズルズルとへたり込む。
そして、ガシガシと乱暴に頭をかいた。
「(あーっ///もーっ!!///)」
自分でも頬が熱く赤くなるのが分かる。
別に女慣れしてないわけじゃない。
それなりに女と付き合ったこともあるし、それなりに女の体も見たり触ったりしたこともある。
触ったり見たりして照れたことなんかない。
でも、捺は違う。
「っ…///
(捺を見たら捺を触ったら………………理性がブッ壊れそうになるっ…///)」
捺が欲しい、俺は捺が欲しいんだ。
他の女じゃ、意味がない。
欲しい。
欲しい。
欲しい。
無理矢理にでも手に入れたいっ…!!
「………でも、…」
―悠斗side end―
(無理矢理に手に入れたって捺は俺のモノにはならない…っ)