恋にきく魔法
ふわふわと浮かぶあたしに並んで、男の人もふわふわ。
にっこり笑ってあたしに話しかける。
「な。これで信じてくれた?」
「……ちょっこれ早く下ろしてよっ!怖いんだけどっ」
高所恐怖症のあたしは敬語も忘れて必死に助けを求める。
「もうちょい散歩しよーぜ?あ、俺の名前は頼斗。よろしくな、メイ」
「んなのどうでもいいから…助けてええええ」
そう叫んだあたしの声も、虚しく闇に吸い込まれて…
あたしと頼斗はどんどんと高く上がっていった。
「楽しいか?メイ」
「……ぜんぜ…ん」
何これぇ……っ
公園がすっごく小さく見えて、飛行機も近くを通ってる。
だけど怖くって目が十分に開けられない……
「じゃあ。こうするかっ」
空中で頼斗におぶさるような体制にされる。
それで…
「いやああああああぁぁぁぁ!」
「ひゃっふぅー」
あたしをおんぶした頼斗はそのまま猛スピードで空中を飛び回る。
振り落とされそうになるあたしは、もう何も考えられない。
ど、どうしてこんな目にぃぃ…
いゃあぁぁぁぁぁぁ………
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