ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


「苺、ごめんね?」
「いいよいいよ♪」

いいよと言いつつ、内心はどうしよう…と、思っていた。

スポーツ大会のチーム分け。
普段一緒にいる友達と、一緒にテニスをしようと思ったんだけど、その子は既に他の友達と、チームを組んでいた。

クラスの中心な感じの、賑やかな女子の組むバレーのチームには、とても入れてなんて言えない。
最も、「優勝ねらうぞー!」なんて言ってるチームに、あたしみたいな小さくて運動オンチの人が、入れてもらえるわけないけど。

テニスの2人組も次々と出来て、あたしは本当に一人になる…。

あぁ!本当にどうしよう!!

そう思った時だった。

ぐいっ

「きゃっ!」

誰かが後ろから腕を掴んだ…というより持ち上げた。

「津田こっち」
「え?」

後ろを向いて、顔を確かめる。
本当は確かめなくても、声だけでわかったけど…あたしの名前を呼ぶ声を、聞くのも久しぶりで。

西藤くんっ!?

「だから、こっち」
「あ…えっ!?」

あたしは引っ張られるがまま、連れて行かれる。

掴まれた所が、熱くなるのはどうして?

心臓はさっきまでより強く打つ。

顔も赤くなってしまいそう…。

ダメだよ、あたし。

平常心保たなきゃ…。
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