ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「誰出る?」
同じチームの男子が尋ねる。
誰出る…?
あ、そっか!8人だから2人余るんだ!
「ねぇねぇ、メグちゃん一緒に補欠に回らない?」
「えーやだぁ。メグ試合出たいもんっ♪」
「何々?津田さん補欠希望?」
「うんっ!」
良かったぁ…。
試合出ずにすみそう♪
そう思ったのに−…。
「いや、津田は出させるよ」
西藤くんの一言。
「えっ!?何でっ!!」
「だって津田出たら面白そうだし」
「あ〜!確かにっ!」
「面白そう面白そう♪」
周りの男子は、こくこくと頷く。
「じゃあ津田さんは決定って事で!」
「えっ…あの…」
「俺ら見学しとくわ〜」
「おう、サンキュー」
男子の中で勝手に話は進み、あたしは出ざるを得ない状況に立たされた。
うそー…そんなぁ…。
「ぷっ」
何がおかしいのか、西藤くんが笑うから、
あたしはぷぅっと頬を膨らます。
「津田って百面相だな!」
「いじわるっ」
「楽しくやったらいいから。がんばれ」
笑いながら、ポンっといつものように、あたしの頭を撫でた。
いじわる…。
そう思うのに、かまってくれるのを、嬉しく思う自分がいた。