ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


…どうしようっ!?

ドクン…ドクン…

3年生は、こっちを睨んでいる。
恐怖と緊張で、あたしの胸は破裂してしまいそうだった。

あたしはなんてことを、言ってしまったのだろう…。

だけど、本当に腹立ったの。

小さいことの何がいけないの?
ううん、小さいことは関係ない…だって翔くんは、自分の力で勝ったんだから。

「何この女…」

3年生がこっちに近寄って来る。

「………」

あたしは声が出せない。

「はっ、こいつもすげーチビじゃんっ!?」

あたしは完璧に、見下ろされて言われた。

悔しい…と同時に、悲しい気持ちに襲われて、俯く。

「…っおいっ!」

翔くんの声がして、あたしの前に誰かが立った。

もちろん翔くんだと思った。
けど、違う。

腰の位置が…大きさが…

あたしは、はっと顔をあげた。

あたしの目の前に、立っていたのは…

西藤くん。

胸が…締め付けられる。


「あの
「裕ちゃんっ!!」

西藤くんが何かを言いかけた時、彼を呼ぶ声がした。

「居た居た♪もぉ、応援来てくれないんだからっ!」

長いさらさらストレートの髪を揺らしながら、西藤くんに近づくのは藤堂先輩。

「あれ?何かあったの?」

言いながら、藤堂先輩は3年生と、西藤くんを交互に見た。

「いや…何もっ」

焦った様に言ったのは、3年生の方。

「そう?…あ、負けちゃったんだね。じゃあ、あたしの応援に来て?ねっ♪」
「うんっ行く行くっ!」

何となく会話から、藤堂先輩と同じクラスの3年生だと思った。
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