ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

好き。

♪苺side♪


青い空、少し冷たさを交えた空気。

今日はとても清々しい朝だけど…

学校へと向かう、あたしの足取りは重い。


昨日はいつの間にか眠っていたのに、寝てなかったみたいに、瞼が重たく感じる。

今日が休みだったらよかったのに…。

なんて考えるけど、土日を挟んだら、もっと行きづらくなっていただろう。

でも、まだ考えがまとまらない…。

「苺っ!!」

ビクッ

「おはよ♪何驚いてんの?」

あたしは顔を確認して、肩を下ろした。

「由紀ちゃん…おはよう」

そういえば、昨日翔くんに告白された事、まだ話してない。

由紀ちゃんに話、聞いてもらいたい…。

「あのね…
「由紀っ!体育館に至急集まれって先輩がっ!」

あたしが話出そうとしたその時、他の女の子が走って来て、由紀ちゃんに話し掛けた。

それがバスケ部の友達だと、すぐ分かった。

「えっ、何で!?今日朝練ない日じゃん!」
「分かんないっ。でも、さっきメール回ってきて…」
「あぁもうっ!苺、ごめん先行くねっ!」
「あ…うん…」

由紀ちゃんとその友達は、バタバタとあたしの前を走って行った。

なんだか…寂しいな。

由紀ちゃんは、あたしだけの友達じゃない。そんなの分かってる。
だけど、部活を始めて、クラスが変わって、一緒に居る時間が減って…寂しさを感じられずにはいられない。

「はぁ…」

落ち込むばかりのあたしは、小さくため息をついた。

「津田がため息なんかつくのめずらしいな」
「そうかな…」
「なんかあったか?」
「ちょっとね…」

…………。

んっ?今、あたし誰と…話してるっ!?

隣には大きな人影。あたしはそぉーっと顔を確認した。

っ!?

「さっ西藤くんっ!!??」
< 123 / 494 >

この作品をシェア

pagetop