ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

お昼休み。

授業が終わったあたしは、学食へと急ぐ。

「苺っ!」

着くと、由紀ちゃんが手招きして、呼んでいた。

「苺、遅い!」
「ごめんごめん」

着いて行くと言って聞かないメグちゃんを宥めるのに、時間がかかってしまった。

メグちゃんには悪いけど、今日は由紀ちゃんと二人で話したかったんだ。

あたしと由紀ちゃんは、それぞれ持参したお弁当を開ける。

お弁当があるのに、学食で食べるのは何か変な感じ。

「で、何かあったの?」

さっそく由紀ちゃんが聞いてきた。

「あのね…」

一応周りを確認する。
知り合いは…いない。

「翔くんに告白されちゃった…」
「うんうん。で?」
「えっ!?びっくりしないの?」
「何を今更…苺の事好きなのは、分かりきってたよ」
「…」
「で、どうするの?」
「え?」
「付き合うの?付き合わないの?」

それは…

「付き合えない…」
「ちゃんと言った?」
「言ってないけど…態度で分かっちゃったみたいで…。でも、“絶対彼女にする“って…」

言ってて自分で恥ずかしくなる。

そういえば、こんな恥ずかしい事言われたんだ。

その上、抱きしめられたなんて…
い、言えないっ。

「何赤くなってんの〜?苺、かわいいっ♪」

由紀ちゃんはあたしの頭を、なでなで撫でる。

「ゆ、由紀ちゃんっ!!」

「でも、そこまで言われたんなら任せてみたら?」
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