ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「さて、次は数学だったよね」
彼女は、授業の準備を仕出したので俺もつられて準備する。
ひらっと、ノートの間からプリントが出てきて開いてみた。
げ…宿題…。
プリントの解答欄は真っ白。
机の位置は1番端の後ろ…席替えをしたせいで、答え合わせの時に当たる。
「お前、宿題やった?」
隣を向いて、準備する彼女に話し掛ける。
「ん?やったけど?」
「見せて!」
「しょうがないなー…」
彼女もプリントを開く。
「…」
開いた彼女は固まった。
横から彼女を覗くと…
【ゴミ収集日変更のお知らせ】と書かれた紙。
「お前…」
笑いをこらえきれず笑った。
彼女は自分でも少し笑いながら、「どうしよー!」と言っている。
「お前ってさー、黒板消しの事といい、その紙といい、バカっつーか…天然!?」
「ひ、ひどーい!ちょっと間違えただけじゃん!」
「ちょっとじゃねーよ、お前マジおもしれぇな」
「なんか嬉しくない!それにお前じゃないよ、あたしは“津田 苺”!」
津田 苺…。
「で、結局津田どうすんの?」
「困った時の由紀ちゃん!」
そう言うと、津田は“由紀ちゃん”の元に行った。
そして、ノートに答えを全部写して俺に見せてくれた。