ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

夏祭り。

☆裕也side☆


8月中旬−…

空が夕焼け色に染まりはじめたころ。周りは縁日の音や笑い声、女の子は色合い豊かな浴衣で賑やかだ。

今日は夏まつり。

俺は麗奈に誘われ、麗奈を待っていた。
家が近いのだから、一緒に行けばいいものの…用事があるとかで先に来るはめになった。
…が、麗奈はなかなか来ない。

時間を見ようと、携帯を取り出した時、

ヴヴヴヴ…ヴヴヴヴ…

タイミングよく、携帯のバイブが鳴った。携帯を開くと、やはり麗奈からのメール。

【ゴメン今日行けなくなったホントゴメンね】

俺が来たかったわけじゃないから、別に構わない。
携帯を閉じ、ポケットに入れて歩き出そうとした時、前方から歩いてくる3人組に目を取られた。


男一人に女二人。
男より少し背が低く、紺の浴衣を着た女と…
赤っぽい浴衣を着た女。

目を奪われたのは、赤っぽい浴衣の女の背が、

低かったから−…。
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