ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
ズキン…ズキン…
頭が、響くように痛い。
くらくらする。
みんなが楽しそうに見学する中、あたしはひとり痛みに耐えていた。
やばいな…吐きそう。
立っているのがやっとで、気分は悪くなる一方。
どうしよう…。
本気でそう思った。
「じゃあ、ここからは自由に行動していいぞー」
先生の言葉に、あたしは「助かった」と、ホッとする。
「メグちゃん…」
「ん〜?」
「あたし、ちょっと休みたいから、他の人と行動してもらっていいかな?」
「えっ、いいけど…大丈夫ぅ?」
「大丈夫、ごめんね?」
「いいよぉ♪」
メグちゃんと別れた後、あたしは先生を探した。
すぐに見つかったけど、他の先生と集まって話をしていて、近寄り難い。
どこかに座って待っていよう…。
あたしはベンチを見つけて、腰を下ろした。
ズキン…ズキン…
頭痛は治らない。
やっぱり朝の地点で、先生に言っとけば良かった…。
馬鹿だな…。
痛くて…辛くて……あたしは目を閉じた。
「−……」
しばらくして、目を覚ました。
あたし、寝ちゃったんだ…。
そろそろ集合時間かな…。
辺りを見渡す。
だけど周りには、もう誰もいない。
え…?
よく見ると、みんなはバスの方に向かって歩いている。
良かった…。
追い掛けようと、立ち上がろうとしたその時、
頭がくらくらして、視界がぼやける。
力が…入らない。
ズサッ!
あたしはそのまま、地面に倒れた。