ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「かき氷食べようよ♪」
近寄るなり中野が言う。二人はかき氷の屋台の前で待っていた。
「わたしレモン♪」
中野の言葉に、「じゃあ、俺もレモン」と川原。
「あたしはイチゴ♪」
苺がイチゴ…
「あ、西藤くん今共食いだとか思ったでしょ!」
「思ってない、思ってない」
首を軽く振りながら否定する。
本当は思ったけど…。
俺も無難にイチゴにした。
イチゴのかき氷を嬉しそうに津田は食べる。
なんだか、その絵がとても似合って見えた…。
その後、ヨーヨー釣りだとか射的だとか、縁日をそれなりに楽しんでいると、辺りはもう完全に暗くなり、夜となっていた。
「あれ、苺は?」
津田…?
ふと、中野の声で周りを見渡すけど…
周りに津田はいなかった−…。