ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


はぐれちゃった−…。

あたしは人波の中に一人取り残されていた。

でも、携帯があるもん!由紀ちゃんに電話しよう!

人波を外れて、近くにあった木の下で由紀ちゃんに電話をかけた。

『プルルル…プルルル…プッ……おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません。…』

こんな時に限って…。
しょうがない、捜すしかないな。

携帯を閉じて、捜す為にまた人波の中に戻る。

「由紀ちゃーん、西藤くーん、川原くーん…」

周りの人の迷惑にならないくらいの声で、3人の名前を呼びながら歩く。

始めはすぐに見つかると思っていた。
けれど、5分、10分、15分過ぎても誰も見つからない…。
< 20 / 494 >

この作品をシェア

pagetop