ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「ココアでいいかな?」
「あっ、ありがとうございます」

暖かいココアを受け取って、あたしはポケットから、財布を取ろうとする。

「お金はいいよ」
「えっ」
「帰る所を連れ出しちゃった、お詫び」

藤堂先輩は笑った。

自動販売機の近くの椅子に、あたしと藤堂先輩は座る。

何だか緊張しちゃう…。
何、言われるんだろうか…。

「苺ちゃん…」

藤堂先輩はココアを一口飲んで、話出した。

「苺ちゃんは…裕ちゃんのこと…どう思ってる?」
「えっ!?」

いきなりの質問に、あたしは動揺して、ココアを落としてしまいそうになった。

「大丈夫?」
「はいっ」

「嘘…つかないで、苺ちゃんの本当の気持ち、話してくれないかな…?」

藤堂先輩の目は本気で…何かを覚悟した目だった。

だから、嘘はついちゃダメだって思った。

あたしの…気持ちは…

「……好き…です」

言った瞬間、何故だか泣きそうになった。

「そっか…」

静かに藤堂先輩は呟いた。

「ごめんなさい…」
「苺ちゃんは悪くないよ」
「そんなっ」

あたしは頭を左右に、ぶんぶん振る。

悪くないわけない…。
西藤くんは、藤堂先輩の彼氏なんだから…。
忘れなきゃいけない人だったんだから…。

「ごめんね…」

涙ぐむあたしに、藤堂先輩が優しく言った。

「あたしが…邪魔者なのに」
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