ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
みんな背…高いな…。
歩いていた足を止め、周りを見る。
あたしより背が高い人ばっかり…。
気づけば、あたしは人波の中に埋もれていた。
ドンッ…
「ひゃっ…」
誰かとぶつかって、手に持っていたヨーヨーが地面に落ちて転がる。
「止まってたら邪魔じゃん!」
ぶつかった女の子はそう言い残して、人波の中に溶けていった。
ヨーヨーは勢いよく落ちて転がったせいか、破けて中から水が出てしまっている。
急に寂しくなった。
誰もあたしを見つけてはくれない気がして…。
小さなあたしは人波の中に入ってしまえば簡単に消えてしまうんだ。
「−…」
俯いたその時だった。