ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「津田っ!!」

名前を呼ばれて顔を上げると、そこに居たのは…

「西藤くん…?」

「大丈夫か?」

その言葉を聞いて、ぽろっと涙が一筋ごぼれ落ちた。

何で泣くのか自分でも分からず、下を向いて涙を拭う。

すると、ぐいっと腕を引っ張られて歩き出した。

その間もなぜか涙は止まらない。


どこか目的地に着いたようで、足は止まったけど、涙を見せたくないあたしは俯いていた。

引っ張られていた手は離されて…西藤くんが、近くにいる気配はなくなる。

きっと呆れられて、どこかに行ってしまったんだ…そう思った。

たけど…

「津田」

呼ばれて顔を上げると目の前には…

赤い飴でコーティングされて、棒に刺さったイチゴ。


西藤くんが、りんご飴ならぬイチゴ飴を差し出していた。
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