ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆
校舎裏で、津田と麗奈の姿を見つけた。
津田は、振り返って俺の姿を確認すると、また麗奈の方を向いて、一度頭を下げた。
そして、ゆっくりとこっちへ歩いてくる…。
「西藤くん」
津田は俺の前で立ち止まる。
「あたし…教室で待ってるね?」
「え…」
少し涙ぐんだ津田は、にこっと笑って、また歩き出した。
麗奈と話しろってことか…。
津田の涙は気になるけど、決して麗奈に酷いことを言われたりして、泣いていたわけではないだろう。
麗奈は…津田の後ろ姿をとても優しく、微笑んで見送っていたから。
「麗奈…」
津田の言葉に甘えて、俺は麗奈の方へ歩み寄る。
「卒業おめでとう」
「ありがとう」
麗奈は笑う。
「朝…見なかったから、こっち帰ってないのかと思った」
「まさか。卒業式はちゃんと出るよ。明日には、お母さんの所に戻るけど」
「そっか」
お母さんの所に戻る…
それは“別れ”を意味する。
盆や正月には帰ってくるのかもしれないが、しばらく会えなくなる。
家が隣で、家族同士の交流があって、姉弟みたいに毎日会っていたのに…
もう、簡単には会えない…。
「麗奈…」
校舎裏で、津田と麗奈の姿を見つけた。
津田は、振り返って俺の姿を確認すると、また麗奈の方を向いて、一度頭を下げた。
そして、ゆっくりとこっちへ歩いてくる…。
「西藤くん」
津田は俺の前で立ち止まる。
「あたし…教室で待ってるね?」
「え…」
少し涙ぐんだ津田は、にこっと笑って、また歩き出した。
麗奈と話しろってことか…。
津田の涙は気になるけど、決して麗奈に酷いことを言われたりして、泣いていたわけではないだろう。
麗奈は…津田の後ろ姿をとても優しく、微笑んで見送っていたから。
「麗奈…」
津田の言葉に甘えて、俺は麗奈の方へ歩み寄る。
「卒業おめでとう」
「ありがとう」
麗奈は笑う。
「朝…見なかったから、こっち帰ってないのかと思った」
「まさか。卒業式はちゃんと出るよ。明日には、お母さんの所に戻るけど」
「そっか」
お母さんの所に戻る…
それは“別れ”を意味する。
盆や正月には帰ってくるのかもしれないが、しばらく会えなくなる。
家が隣で、家族同士の交流があって、姉弟みたいに毎日会っていたのに…
もう、簡単には会えない…。
「麗奈…」