ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


青いなぁ…。
雲って、本当にわたあめみたい…。
そういえば、お腹空いたなぁ…。

教室に帰ったは良いものの、誰も居なくて、あたしは教室の窓から空を、ぼーっと見てた。

西藤くん…教室に戻って来るかな。
誰も居ない静かな教室は、なんだか寂しくて…ほんの少しの不安が襲ってくる。

大丈夫だって、戻って来てくれるって信じているのに、頭と心は別ものなんだ…。

早く会いたい…。

早く戻ってきて…。

なんて、自分が話させようとしたのに、わがままだよね。

藤堂先輩、やっぱりあたしは、良い子じゃないです…。

「はぁ…」

空を見ながらため息をついた。


タッタッタッ…

誰かが走ってくる足音。
その足音が聞こえた瞬間、犬みたいに耳がぴくって、動いた気がした。

ガラッ

勢いよく開けられたドア。
その先には西藤くん。

「あっおかえ…っ」

“お帰り”って、言うつもりの言葉は、途切れてしまった。

だって、

急にあたしの体は、温かさに包まれて…

西藤くんの優しい匂い…。


ぎゅうっ…

気付けばあたしは、西藤くんに抱きしめられてた。
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