ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
『声、怒ってたけど…』
「えっ!?」
自分では、全く気付かなかった。
「ごめん…寝起きだったから」
恥ずかしくて、声が小さくなる。
電話の向こうから、西藤くんの笑い声が聞こえた。
『津田って、本当によく寝るな〜』
「ねっ…寝る子は育つって言うじゃんっ」
『育ってんのかよ?』
「育ってるよ!」
『へぇ〜?じゃあ、身体測定楽しみにしとくわ』
「うっ…」
本当は、身長伸びてない気がするのに…。
っていうか…西藤くんっていつも、あたしが寝てるタイミングなんだよね。
いつも、あたしの目を覚ます…。
「あっ、西藤くん何か用あったんじゃないの?」
『あぁ…忘れてた。明日さ…暇?』
「うん」
特に予定のないあたし、は即答で答える。
『じゃあ、駅に11時』
「え?」
『遊ぼうってこと』
聞こえる声から想像する、西藤くんの顔は…笑顔。
遊ぼう…?
「デート…?」
思ったことを、思わず声に出してしまった。
『そう』
いつも、あたしの目を覚ます西藤くん。
目を覚ました後は…
あたしを連れ出すの−…。