ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


水色の空が広がる…
今日は快晴。

そして今日は…
津田と付き合って初めて、2人で出掛ける。

いつも遅れてしまっているから、今日は遅れまいと早く家を出たのに、

駅にはもう、小さな人影があった。

「津田っ」

「西藤くぅーん♪」

「…」

背後から、明らかに津田じゃない気色悪い声がした。

振り返らなくても、そいつは横から顔を出した。

「川原」
「よっ!西藤っ!」
「…」
「そんな怖い顔すんなって〜」

津田の方に目をやると、隣には中野がいつの間にか立っていて、笑っていた。

津田は苦笑しながら、申し訳なさそうに口パクで、「ごめんね」と伝える。

そういうことか…。
じゃあ、仕方ない。

俺は返事をするように、軽く笑った。

「じゃあ、皆さん揃った所で、どこ行きますかー?」

何故か仕切る川原。

「あっ、映画ー♪苺と見たいって、話してたんだよねっ♪」
「うん」

中野の呼びかけに、津田は頷く。

「じゃあ決定ー」

津田を遊びに誘ったのは良いものの、特に予定を立ててなかったから、2人が居て意外と助かったかもしれない。
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