ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
映画を見た後は、遅くなってしまった昼食をとって、街を歩いた。
賑やかな川原、中野カップル。
あまりこういうのは、得意じゃなかったはずなのに、何故だろう…嫌じゃない。
「あっメグちゃんっ!」
突然、津田が声を上げた。
道路を挟んだ向こう側、確かに間が居た。
隣には見覚えのない男。
彼氏か…?
間はこっちに気付いたようだったのに、無視をするようにすぐ目を逸らし、男と歩いて行った。
「メグ…ちゃん…?」
首を傾げる津田。
「間って彼氏いんの?」
「…聞いた事ないけど」
「彼氏かもね!まぁいいじゃん、苺。行こう?」
中野に津田は笑って頷いて、また歩き出した。
だけど、急に口数は減り…見れば、浮かない顔をしていた。
「何?間の事?」
少し心配になって、声を掛けるけど、
「あ、何でもない。ごめんね」
津田はそう言って笑うだけで、深くは話してくれなかった。
何を考えているのか…気にはなっても、これ以上は聞かない。
津田から言ってこない限りは、聞けない。
もし、何かがあった時は、津田から言ってくれると信じてるから…。