ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

宣戦布告。

♪苺side♪


いつもと変わらぬ放課後。

「あ…」

帰ろうと下駄箱を覗いて、声を上げた。

また…だ。
また靴がない。

空っぽの下駄箱から視線を上に移すと、やっぱり靴は下駄箱の上に置かれていた。

毎日ってわけじゃないけど、あたしの靴はたまになくなる。

始めはただの嫌がらせだろうと思っていたけど、隠されたり捨てられたりするわけじゃなくて、いつも決まって下駄箱の上に置いてある。

異変もただそれだけ…。
他には何もない。

どうして…?
一体誰が…?

辺りを見渡すけど誰も居ないし、心当たりも全くない。

とりあえず、これ取らなきゃ。

あたしはかかとを上げ、手を伸ばす…が、

これじゃ届かないんだよね。

何度も置かれるうちに、ジャンプすれば届くことに気付いた。

「っ!」

取れた!と、思った。

だけど、上手く取れなくて、靴は地面に落下する。

ガンッ

床に落ちた靴は跳ね返って、少し離れた所で止まった。

「あちゃー…」

拾おうと、しゃかんで手を伸ばそうとしたら…別の手が、あたしの靴に触れた。

「大丈夫?」
「はい、ありがとうござ…あっ…翔くん…」

靴を拾ってくれたくれたのは、翔くんだった。
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