ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
夏祭りから数日後。
あたしは由紀ちゃんの家で夏休みの課題をしていた。
というより、由紀ちゃんのを写させてもらっていたんだけど。
あたしはせっせと課題を写す。
写すのも結構大変で、だんだんと手がだるくなってきた…。
由紀ちゃんはベッドの上で横になり、ファッション雑誌を広げている。
うらやましい…。
そんなあたしの視線に気付いたのか、由紀ちゃんはいきなり雑誌を閉じ、身を起こした。
「どうしたの?」
「苺さぁ…」
由紀ちゃんは真顔。
「王子の事好きなんだよね?」
「っ!!」
予想もしない質問にびっくりする。
「好きなんだよね?」
ずいっと由紀ちゃんは顔を近づける。
「…は、はい…」
夏祭りの後、由紀ちゃんには西藤くんを好きになったかもしれない、という事を告げていた。
「アドは?」
「へ?」
「アドは知ってんの?」
「…知りません」
「知りたいですか?」
「えっ!?えーと…」
素直な気持ちは…
「知りたい…かな…」