ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

夏祭りから数日後。
あたしは由紀ちゃんの家で夏休みの課題をしていた。

というより、由紀ちゃんのを写させてもらっていたんだけど。



あたしはせっせと課題を写す。
写すのも結構大変で、だんだんと手がだるくなってきた…。
由紀ちゃんはベッドの上で横になり、ファッション雑誌を広げている。

うらやましい…。

そんなあたしの視線に気付いたのか、由紀ちゃんはいきなり雑誌を閉じ、身を起こした。

「どうしたの?」
「苺さぁ…」

由紀ちゃんは真顔。

「王子の事好きなんだよね?」
「っ!!」

予想もしない質問にびっくりする。

「好きなんだよね?」

ずいっと由紀ちゃんは顔を近づける。

「…は、はい…」

夏祭りの後、由紀ちゃんには西藤くんを好きになったかもしれない、という事を告げていた。

「アドは?」
「へ?」
「アドは知ってんの?」
「…知りません」
「知りたいですか?」
「えっ!?えーと…」

素直な気持ちは…

「知りたい…かな…」
< 27 / 494 >

この作品をシェア

pagetop