ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「よーしっ!!任しとけっ♪」

由紀ちゃんはベッドから降りると、勉強机の上で充電中の携帯を開く。

「何するの?」
「いーからいーから♪」

メールを打っていた様子の由紀ちゃんだけど、「めんどくさい」とと呟き、電話をかけだした。

「誰に電話?」

聞くと、由紀ちゃんはにこっと笑った。


「……あ、もしもし?わたし。………いや、そんな事はどうでも良くて。ちょっと頼まれてくんない?……あのさ、王子…じゃなくて西藤くんのアド教えて?………はっ?知らない?知らないじゃなくて、調べてよ。男子に当たっていけば知ってる人いるでしょ!?……とにかく、分かったら連絡して!」

プチっと切った電話。
いつになく強気な由紀ちゃん。

電話の相手は…

「川原くん?」

由紀ちゃんはにっこり笑って頷き、あたしは苦笑いした。

川原くん…ごめんね。

「でも何でいきなりアドレス?」

あたしが首をかしげると、由紀ちゃんはまたベッドに戻って雑誌を開く。 

「これこれ♪」

由紀ちゃんの開いたページには…【男の子と仲良くなった方法】という特集ページ。

何なに…1位はメール?


「よーし!苺、王子のハートをいただいちゃえ♪」

なんて由紀ちゃんはふざけて言ったけど、

その後、メールは一向に来なくて…。

「アド分かったら連絡するから!」

という由紀ちゃん言葉を聞いて、あたしはそのまま帰った。
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