ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

ホントのキモチ。

♪苺side♪


翌朝−…。

あたしは早朝の教室に居た。
早過ぎて、誰も居ない教室に。

「あー…」

鏡で自分の顔を映して、声を上げる。

目が腫れぼったくて、真っ赤になっているのは…昨日泣いてしまったのと、眠れなかったから。

携帯を開けば、【新着メール】と、【着信あり】の文字。

全部…裕くんから。

あたしはメールを読むことも、電話に出ることも出来なかった。

メールを読んだら…
電話に出たら…

“別れよう”

そう言われる気がして…。

開いて見るメールは、今までの幸せなやり取り。

最後に届いたメールは、あたしを心配する、絵文字付きのメール。

涙が込み上げて、息が出来なくなる。


ガラガラッ

いきなりドアが開けられて、あたしは慌てて携帯を閉じた。

「あっ…」

声を上げて入ってきたのは、クラスメイトの女子二人。

「おはよう」

あんまり仲良くないけど、あたしは笑顔で挨拶する。

「おっおはよっ…」

ろくにあたしの顔も見ず、適当に挨拶して、そそくさと席に着くクラスメイト。

恋愛がらみの噂って、広まるのが早いもので…あたしと裕くん、そしてメグちゃんのことは、あっという間に広まっていた。
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