ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
帰ってから、いろいろ用事を済ませているうちに、時間は過ぎていた。
23時36分。
今日はもうメールも来ないだろうと、リビングから自分の部屋に戻ろうとした時だった。
〜♪
携帯が鳴った。
由紀ちゃん!?
ではなくて、登録していないアドレス。
メールを開くと…
【西藤だけど。中野からアドレス教えられたけど、なんかあった?】
そのメールを読んだ瞬間、あたしは階段を駆け上がって、自分の部屋に戻った。
下からはお母さんの「苺ー?」と少し怒り気味の声が聞こえた。
だってびっくりしたんだもん。
不意打ちだ…由紀ちゃんにやられた…。
とりあえず、ベットに腰かけて返信内容を考える。
えっと…なんかあった?って聞かれても、あなたの事が好きだからなんて言えないし…。
とりあえず、夏祭りのお礼って事にでもしとこう。
【いきなりごめんね?夏祭りの時のお礼ちゃんと言いたくて】
送信…と。
〜♪
返事は5分もしないうちに来た。
【気にすんな】
一言メール!?
怒ってんのかな…なんて思いながら返信する。
【でも、なんか付き合わせちゃったし、迷子にはなるし、迷惑かけちゃったからお礼になんか、あたしに出来る事あったら言ってね】
なんて…ちょっとバカっぽいかな?
〜♪
【楽しかったし、いいよ。お礼ね…じゃあ、宿題見せてくんない?】
楽しかった…なんだか嬉しくなった。
【了解です学校で見せればいい?何の教科?】
【数学と英語頼む。暇な日ない?学校行ってからじゃ、間に合わないから夏休み中に。】
…………。
これって、夏休み中にまた西藤くんに会えるって事っ!?
…嬉しい!!
【わかったじゃあまた、暇な日決まったらしますおやすみなさい】
なんだか、西藤くんにメールを終わらされるのは寂しい気がして、自分から終わらせた。
ううん、本当は会える約束をした所で終わらせたかった。
「やっぱり、学校で」と、ならないように…。