ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

由紀ちゃんの「ごめん」は、昨日から幾度となく聞いている。

どうして、由紀ちゃんが謝っているのかと言うと…翔くん。

昨日、翔くんがあたしの所に来たのは、由紀ちゃんが言ったから。
あたしの元気がないから行ってやって…って。

「だからー、謝ることないよ!」

あたしは笑うけど、由紀ちゃん自身は、やっぱり気にしちゃってるみたい。

でも、翔くんと話して本当に助けられた部分もあるし、何より…

「あたしが悪いの。裕くんにお昼会えないって言っといて、他の男と一緒に居たんだもん」

そりゃあ怒るよね。

「悪いのは間さんでしょ!」
「「え?」」

あたしと由紀ちゃんは、声を揃える。
いきなり、クラスメイトの女の子達が、話に入ってきた。

「津田さん大丈夫?」
「え…あ…うん」

決して親しいわけではない、クラスメイト達に戸惑う。

「間さん最悪だよねっ!人の彼氏取るなんてっ!」
「そーそー超ウザイ!」

あたしの前で繰り広げられる、メグちゃんの悪口。
黙ったままの由紀ちゃん。

あたしの味方してくれてるのは分かるんだけど…嫌だ。

そういえば…あたしが悪口言われたとき、庇ってくれたのはメグちゃんだった。

どうして庇ってくれたんだろう…。

“苺ちんなんか大嫌い”

嫌いなのに庇ってくれる…?

あたしは……。

「間さんってホント、女友達いないよねー!」
「しょうがないじゃん!彼氏取るんだも〜ん!」

キャハハハと笑う、クラスメイト達。
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