ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「メグちゃんの悪口言わないで」
「え?」
クラスメイトは笑うのを止め、驚いた顔で見る。
「メグちゃんの悪口言わないでよ…。ごめんけど、あっち行って」
それが、あたしの精一杯だった。
「何…?意味不明。あっち行こっ」
さっきとは、明らかに違う目であたしを見て、立ち去った。
「苺?」
由紀ちゃんが不思議そうな顔をしたから、あたしは笑った。
「友達だから」
メグちゃんは友達。
あたしは今でも、そう思ってる。
メグちゃんがあたしを庇ってくれたのも、友達だと思ってくれたからだと思う。
“大嫌い”って言われてしまったけれど…それは本心じゃないと、信じたい。
「苺…バカなんだから」
由紀ちゃんは、小さな声で続ける。
「苺がそう言っても、わたしはやっぱり…」
その時、ざわついてた教室内が一瞬、静まりかえった。
何…?
みんなが注目してるのは、教室後ろのドア。
そこに立っていたのは…メグちゃん。
「あ…っ」
あたしと目が合うと、メグちゃんは顔を歪めて、教室から走り去る。
「ちょっ、メグっ!」
「由紀ちゃんっ!?」
由紀ちゃんもメグちゃんを追い掛けて、教室を出た。