ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

もう一人になるのは嫌。

メグは戻って来た苺ちんに、酷いことを言っていた。

「苺ちんなんか大嫌い」

そして、

「メグが西藤くん奪うから」


苺ちんが完全に恋に捕われてしまう前に、奪ってやろうと思った…。

二人の仲を引き裂いてやれば…

そしたら、寂しくなくなるような気がして…。


苺ちんは優しいから、次の日から西藤くんと、一緒に居なくなった。

休憩時間も、お昼も、教室に居る。

だけど、

苺ちんが笑ってくれても、メグは笑い返すことは出来ない。

メグを恐れてる…。

はっきりと、見て分かる。


罪悪感と寂しさに、心は覆われた。

友情が崩れるのが、嫌だったはずなのに…
こうなるのが、嫌だったはずなのに、

メグは一体、何をしているんだろう…。

恐れていた状況を、自分で作っていた。

気付いた時はもう遅くて、
後には引き引き返せなくなっていた。

素直な気持ちが言えなくて、
気持ちとは逆にしてしまう態度…。

苺ちんが付き合い出した頃から始めた、
下駄箱の上に靴を置く、イタズラ…。

苺ちんを幾度となく、傷つけてしまった。


本当はそんなの、願ってなんかいないのに…。

ただ、苺ちんと仲良くしたかっただけなのに−…。
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