ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「なんか、昨日から授業サボってばっかだね」
廊下を歩きながら話す。
メグちゃんのメイクを落としていたら、3時限目の授業も終わってしまった。
「先生怒るかなぁ?」
「怒るかも…」
あたしとメグちゃんは苦笑する。
「苺ちん」
教室の前でメグちゃんに呼ばれ、足を止めて振り返った。
「もう大丈夫だよ。全部話したら気持ちが楽になったから…。だから、気にせず西藤くんと仲良くして。でも…」
「でも?」
「たまには、メグの相手もしてね…?」
「うんっ!」
あたしは大きく頷く。
「ありがとう…苺ちん♪」
優しく微笑んだメグちゃんの顔は、ノーメイクでも思わずドキッとしてしまう程、綺麗だった。
「行こぉ♪」
メグちゃんに手を引かれ、教室へと入る。
仲良く入って来たあたしとメグちゃんに、驚いているみんながおかしかった。
でも、由紀ちゃんだけは、あたし達を見て、黙ったまま微笑んだ。
メグちゃんがあたしに抱いた気持ちは、あたしが部活を始めた由紀ちゃんに抱いた気持ちと、きっと一緒…。
寂しくて、置いていかれたような、気持ちだったんだと思う。
ごめんね−…。
裕くんも大切だけど、友達だって大切。
これからは、二つを大切にしなきゃ−…。
あたしは笑った。
今日は、親友がもうひとり出来た日。