ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「あんまり恋愛に浮かれてちゃダメよ」

彼氏が居ることを知っているお母さんは、意地悪に言う。

「浮かれてないもんっ!」

と、言いつつ実際は、まだ少し浮かれ気味。

大好きな彼氏が居て…大事な友達が居る。
今が楽しくて幸せで、しょうがなかった。

でも、成績が上がったのは…裕くんのおかげなんだよ。

裕くんがテスト前、必死に数学教えてくれたから。
ドキドキして、あまり頭に入らないあたしに、何度も何度も繰り返し教えてくれた。
思い出すと、その優しさに顔が綻ぶ。

そういえば、裕くん進路どうするんだろう?

一年の時と比べて、裕くんはかなり頭が良くなった気がする。

やっぱり四年大学行くのかな?
あたしは女子短大だし、バカだから、一緒の大学はきっと無理だけど…卒業してからも、ずっと一緒に居たいな。


「あつーい!」

外に出ると、やっぱり日差しが強くて、じりじりと肌を焼く。


高校最後の夏−…。
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