ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「ねぇ、何で?裕ちゃん、何で?」
「別に。話を聞いてるうちに、それもいいかなって、思っただけ」
「じゃあ、まだ決定じゃないのね?」
「いや…決定」
「何でっ!?いいのっ!?」
やけに必死になる麗奈…
「なんか困ること、あんの?」
麗奈はふるふると、首を振った。
「あたしじゃないっ!苺ちゃんっ!!」
「…」
「まさか…言ってないの?」
「まだ必要ないだろ」
麗奈に背を向ける。
「裕ちゃん…」
必要ないなんて嘘だ。
本当は言うのが怖いだけ。
泣かせたくなくて…
“終わり”を、考えたくないだけ−…。
「麗奈」
「…何?」
振り返ると、麗奈は思い詰めた表情で、返事をした。
「いつ、あっち帰んの?」
「しばらくは…お盆終わるまでは、こっちに居るけど」
「じゃあ、よろしく」
言うと、麗奈はため息を1回ついて、微笑を浮かべた。
「本気なんだね。なら、応援するよ」
「ありがとう」
「いいよ。裕ちゃんと苺ちゃんなら、大丈夫な気がするし」
麗奈は笑ったけど、俺は返事をすることが出来なかった。
考えたくはない…。
だけど、進まないわけにもいかない−…。