ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「お待たせぇ〜♪」
ご機嫌なメグちゃん…は、一人ではなくて、
「離せって!」
メグちゃんにしっかりと、腕を組まれている男の子。
「こんにちは、結城くん」
「苺ちゃーん!マジこいつ、どーにかして〜!」
「ちょっとぉ!何で苺ちんなのぉ!?」
そんな二人のやり取りを、あたしと由紀ちゃんは笑う。
裕くんの友達、結城大和くん。
たまたま裕くんと一緒に、あたしのクラスに来たことがあって、その時メグちゃんに好かれちゃったみたい。
明るいメグちゃんと結城くんは、絶対付き合ったら良いと思うんだけど…結城くんは拒否してる。
それでも、諦めないメグちゃんと結城くんのやり取りは、見てて面白い。
そして…楽しそうに恋をしてるメグちゃんを見て、あたしは安心していた。
「みんな早っ!!」
川原くんも加わって、いよいよ賑やかになる。
けど…
「あれ?裕也は?」
「遅くなるそうです」
あたしは、結城くんの質問に答える。
「ふーん…」
「先に回ってようよ?来たら連絡くれると思うし」
みんな集まったのに、これ以上待たせるのは、何だか悪い気がした。
「そうだねぇ〜♪」
「じゃあ行こっか」
みんなの歩き出す足につられて、あたしも歩き出す。
“先に回ってようよ”
自分が言った言葉に、ほんの少し後悔…。
おかしいな…。
一人じゃないのに、寂しい…なんて。