ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

裕くんどうしたんだろう…。

夏休みに入ってから、あんまり会っていない。

毎日メールはしてるけど、回数は減った気がするし…

何だか忙しそう−…。

冷めちゃった…とか?


「苺ちゃん?」
「…え」

下を見ていた顔を上げると、結城くんのドアップ。

「きゃあっ!!」
「ちょっ、びっくりするじゃんっ!」
「あっ、ごめんなさいっ」

びっくりしたのはこっちの方…なのに、謝ってるあたし。

前を見ると、少し離れた所で由紀ちゃん、メグちゃん、川原くんは騒ぎながら、金魚すくいに夢中になってた。

「元気ないね?」
「…そうかな?」

笑ってごまかしてみるけど、理由はバレてたみたい。

「裕也?」
「あ…」

図星で何だか恥ずかしい。

「もしかして、裕也から…聞いた?」
「え?何を?」

あたしは顔を上げて、結城くんを見る。

「あー…」

何も知らないあたしに対して、結城くんは、“しまった”って感じの顔をした。

「ねぇ…」
「大和ぉ!苺ちんにちょっかい出すなぁ!!」

何のことか聞こうとした時、ひょっこりとメグちゃんが現れた。
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