ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

理由。

♪苺side♪


【ごめん、今日先に帰ってて。】

残暑の残る教室で、携帯と睨めっこ…。

「どうしたの?」

声をかけて来たのは、由紀ちゃん。

「今日も一緒に帰れないって…」
あたしの声のトーンは、自然と下がる。

メールの贈り主は裕くん。

夏休みが終わって、何だか忙しそうな裕くんは、一緒に帰れることも、少なくなりつつあった。

夏休み中も忙しそうだったけど、ちょくちょく会ってくれていたのにな…。

「…よし!じゃあ行くよ!」
「え?」
「メグ今日暇ー?」
「暇ぁ〜♪」

教室の中、少し離れた距離から大声で、会話する二人。

「三人で遊ぼっ♪」

三本の指を立てて、にっこり笑う由紀ちゃん。

「うんっ!」

あたしも笑顔で返事した。



服見て、雑貨見て、プリクラ撮って…。

由紀ちゃんとメグちゃんと遊んでいると楽しくて、裕くんのことが少し、頭から離れた気がした。

ありがとう…由紀ちゃん。

「でねでねぇ〜?」

今はドーナツ屋で、女の子の会議中。

「もぉ最悪なのぉ!でねっ?」

次から次へと、言葉が出てくるメグちゃん。
あたしと由紀ちゃんは、ひたすら話を聞いてた。

…と、新たに入って来た客の方を、何気なく見る。
女の子が二人。うちの制服だったから、目が行った。
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