ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「あっ…」

あの人達…あのときの人だ。

あっちもこっちに気付いて…。

えっ!?

驚いたのは、メグちゃんに負けず劣らず短いスカートを、ひらひらさせながら…こっちに歩いて来たから。

「久しぶり」
「はぁ?」

いきなり声をかけて来た彼女らを見て、メグちゃんは眉をしかめる。

彼女らは…あたしが裕くんと付き合い出したとき、先立って悪口を言ってた人。

「何か用ですかぁ?」

メグちゃんがアイスミルクティーのストローを、くるくる回しながら言う。

「ちょっと西藤くんの元カノに、挨拶しに」

にこりと笑う女の子。

「え?」

元カノ?誰…?

あたしは由紀ちゃんとメグちゃんを見るけど、二人とも訳の分からない顔をしてる。

「えーと…」
「何言ってんの?」

あたしの代わりに、今度は由紀ちゃん。

喋らなくてすむから楽だなぁ…なんて。

「あれぇ?別れたんじゃないの?」
「はぁ?苺ちんは今も、ラブラブなんですけどぉ?」

どうやら“元カノ”は、あたしらしい。

「へーえ…。てっきり藤堂先輩と戻ったと思ってた〜♪」

え…?

「何よそれ」
「夏休みに藤堂先輩と一緒に居るとこ、何度も見たからてっきり〜。ごめんね♪」

“ごめんね”と、口では言いつつ、謝る気なんてさらさらないのが、見て取れる。
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