ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「勘ちかよっ」
メグちゃんが、ため息混じりで言葉を穿くと、女の子は一瞬、表情を崩した。
けど、すぐに笑顔に戻る。
「じゃあ、捨てられないように頑張って〜♪もう、時間の問題かもしれないけど♪」
女の子は笑いながら、あたし達の前から離れて行った。
「何なのアイツらぁっ!マジウザイー!!」
「苺、気にすることないよ?」
「うんっ」
あたしは笑う。
気にすることなんてない。
藤堂先輩は、裕くんの幼なじみだもん。
帰ってきたら、そりゃあ一緒に居るのは、当たり前のことだよね。
だけど、気になるのは…
最近構ってくれないから。
会いたいのに、会う時間が少なくなって…
電話したいのに、出来なくて…
メールしたいのに、メールが途中で途切れちゃう…
好きだから不安で…
理由を教えて欲しいのに、
聞けないっていう矛盾−…。
「苺?」
「苺ちん?」
心配そうにあたしを見る二人。
きっと気付かないうちに、不安が顔出ていた。
「ん?大丈夫♪」
心配してくれる優しい友達…。
あたしがしっかりしなきゃ。
明日の朝、ちゃんと聞こう。