ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

結城くんに連れられ、学校を出て、いつもと同じ道を歩いてると思ったら、違う道へ…。

この先に何かあるのかな?

初めて歩く道だから、さっぱり分からない。

一体どこに行くんだろう…。

学校で結城くんと歩いているところを、メグちゃんに見られちゃったけど、笑顔で「いってらっしゃーい♪」と、言われてしまった。
由紀ちゃんも、何やら笑っていたし…。
どう見ても、何かを知ってる様子…。

「でも、マジ苺ちゃんカワイイよなぁ〜♪俺、犬大好き♪」
「あはは…」

結城くんの中で、もうあたしは“犬”らしい。
まぁ、それは置いといて…。

「あの…どこ行ってるの?」
「ん?俺ん家♪苺ちゃんカワイイから、持ち帰りっ♪」
「えぇっ!?」

あたしは思わず後ずさる。

「かっ帰りますっ!!」

もう走り去ってしまおうとしたけど、肩を掴まれた。

「逃げちゃダーメ♪」

にっこり笑う結城くん。

「逃げるよっ!」

じたばたするけど、逃げられない。

「俺ん家っていうのは冗談だって〜♪もっといい所連れてってあげるから♪」

“いい所”…もう怪しくしか聞こえなかったけど、逃げられないことを悟ったあたしは、渋々足を前に進めた。
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