ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


ピンポーン…

静かな家の中に、玄関のチャイムがよく響く。

誰だよ…。

めんどくさいと思いながら、参考書とノートを閉じ、玄関へと向かう。

これこそ受験生ってくらい、最近ずっと勉強漬け。
塾とか家庭教師っていうのはウザったくて、一人で勉強していた。

ピンポーン…

もう一度、家に響く。

分かってるよ。

「はーい」

ガチャ

面倒臭いと思いながら、ドアを開けると、

「…こんにちは」

玄関の前に立っていたのは、他より少し小さな女の子。

「苺っ!?」

想定外の来客に、大きな声を出した。

「何で…」
「よっ、裕也♪」

苺の横から顔を出したのは、大和。

「お前か…」
「頑張る裕也にプレゼント♪」

ニヤニヤと笑う大和。

「人の彼女を、勝手にプレゼントするな」
「じゃあいらねぇのかよ?だったら俺が…♪」
「きゃっ」

大和が苺の肩に両手を乗せて、引き寄せようとした…が、
俺は反射的に苺の手を掴んで、自分の方へ引き寄せた。

「俺のだから」
「えっ?あっうっ…」

赤くなって、口をパクパクさせる苺。

かわいい…。
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