ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「あーはいはい。お熱いことで〜。じゃあ俺は、退散するかな」
そう言って、大和は1回背を向けたが、もう一度こっちに向き直ると、笑みを浮かべて突進してきた。
「なっ、何だよっ」
苺を半放置して、大和は玄関の中まで入って来た。
「裕也くん、がんばれっ♪」
「は?」
「男になってこい!」
「…意味不明」
「分かってるだろーが!このムッツリめ!」
「…バカ」
それ以外の言葉は、出てこない。
「あの…何してるの?」
苺は控えめに、顔だけ出して、こっちを見ていた。
「あっ!ごめん苺ちゃん!どーぞどーぞ」
「え…」
苺は困った顔をする。
「遠慮せず、入っちゃいなって♪」
大和は苺の手を軽く引いて、玄関の中に入れた。
「お前の家じゃないだろ」
「まぁまぁ♪じゃ、俺帰るから。ごゆっくり〜♪」
…パタン
ドアが閉まる。
ひらひらと手を振りながら、大和は出て行った。
「はぁ…」
アイツ…今日はいつもより、テンション高かったな…。
「あっあの…あたしも帰るね?」
「何で?」
「え?だって迷惑じゃ…」
迷惑…な、わけがない。