ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「「で!!どうだったのっ!?」」
「…へ?」

次の日、由紀ちゃんとメグちゃんが、学校で待ち受けていた。

教室に着くなり、あたしは自分の席に着かされて、由紀ちゃんとメグちゃんは、あたしの席の前に立つ。

「苺、正直に話しなさいっ!」
「えっと…何がでしょうか?」
「しらばっくれてもダメだよぉ?こっちは知ってるんだからねぇ♪」
「だから、何を…?」

まるで、警察に尋問されているみたい。

「昨日、王子の家に行ったんでしょ〜?」
「…うん?」
「「でっ!?」」

ずいっと、二人の顔が近づく。

「で…って?」
「も〜っ!!何かあった!?」

何か…

裕くんが…大学…。

「…」

あたしは黙り込んで俯いた。

「「?」」

由紀ちゃんとメグちゃんは、顔を見合わせる。

「苺ちん…?」

「…っ何もなかったけど?」

あたしは顔を上げて笑った。

「え…えーっ!!二人きりだったのにっ!?」
「うん?」
「メグ、絶対苺ちんが初体っ…んぐっ…」
「しーっ!」

何かを言おうとしたメグちゃんの口を、由紀ちゃんが塞いで、

「なっ何でもないからっ」

苦笑いしながら言う。

「?…二人とも変なの。ちょっとトイレ行ってくるねっ」

あたしは席を立ちながら、笑った。
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