ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
一緒に居る時間を、大切にする方法もある。
だけど…一緒に居たら、ダメだと思った。
どうしても離れることを、考えてしまうから。
“嫌だ”なんて、あたしのわがままだから…。
我慢しなきゃ…。
あたしに裕くんの決めた進路を、揺るがす権利なんてない。
それから…以前にも増して、笑うことが多くなった。
楽しいわけじゃない。
嬉しいわけじゃない。
本当の気持ちは逆−…。
だけど、裕くんや友達に心配かけるわけにはいかなくて、
何より、自分自身が笑ってないと辛かった。
笑うことで気持ちを隠さなきゃ、心が壊れてしまいそうで−…。
ううん、きっともう心は壊れてた。
あたしの気持ちなんか、知らないとばかりに、時間は刻々と過ぎて…
いつの間にか、制服は冬服へと変わり、朝晩は肌寒く感じる季節になっていた。
クラスの雰囲気は、もう受験って感じで、最後の文化祭を終えたら、本当に受験一色になりそうだった。
当たり前のように、裕くんと一緒に居る時間もなくなって…。
クラスも裕くんも、自分の進路へと進んでいるのに、あたしだけそんな気になれなくて、
あたしの心は…
置いてけぼり−…。