ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

離れちゃうんだ…。
4月になったら…。

「苺は推薦?」
「うんっ…指定校」
「じゃあ、確実受かるじゃん。羨ましい」

裕くんはいつもするように、あたしの頭を、軽く叩くように撫でる。

羨ましい…?

心が…ざわつく。

「裕くんは…推薦じゃないの…?」
「推薦貰えるほど偉くない」

苦笑する裕くん。

それって…

あたし、絶対離れるものだと思ってたけど…

「落ちる確率の方が高いかもな」

「−…」

笑いながら言った、何気ない裕くんの言葉に、あたしの心は揺れ動く。

そうか…。

落ちちゃえば、離れなくていいんだ…。

落ちちゃえば…

落ちればいいのに−…。


「苺?」
「えっ?」
「俺、頑張るから」

微笑む裕くん。

「っ−…」

何で…笑えるの?

何で…頑張るの?

一緒に居られなくなるのに、
なんで−…?
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