ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「元気ないけど、大丈夫?」
いつものあたしなら、笑って「大丈夫」って言うんだろうけど、出来なくて、代わりに俯く…。
あたし…
あたし−…
そんなあたしを見て、裕くんはふっと笑って、また頭をポンポンと撫でた。
「苺…頑張ろ」
「頑張れないよ」
裕くんの言葉を遮った。
俯いてるから顔は見えないけど、頭を撫でる手は、ピタッと止まった。
きっと驚いてるんだろう。
「裕くん、あたし頑張れないよっ…」
「…」
返事はない。
「もう…別れたい」
「いち…」
返事を聞く前に、あたしは走って家の中に入った。
「っんっ…ふっ…」
ドアを閉じた瞬間、何かが切れたように、涙が零れ落ちる。
ごめん…
ごめんね…
あたし最悪だから、一瞬に居られない。
このままじゃ、裕くんを困らせる。
だったら困らせてしまう前に…
ごめんなさい−…。