ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「苺ちゃんが、本気でフると思ってんのかよ」
吐き捨てるように言われた大和の言葉に、俺の足は止まった。
「…分かってるよ」
苺が無理して笑ってたことも、
自分の気持ちを、必死で押さえてたことも、
別れを切り出したのだって、きっと俺の為…。
「じゃあ、何であっさり別れるわけ?」
そんなの決まってるじゃないか。
苺がこれ以上ツライ思いをするのなら、
苺が「別れたい」って言うのなら、
俺に選択の余地はない−…。
「ちょっ、質問した俺が悪りぃかもしんないけど、睨むなよっ!」
「…」
無意識のうちに、大和を睨んでいたらしい。
ふいっと大和から視線を外して、俺はまた歩き出そうとした…が、一人の女子が目に入って、大和の方に向き直る。
「な、何っ?」
さっき睨んでしまったせいか、少し大和はビクついた。
「彼女のとこ戻れば?」
「へ…?」
俺がその子の方を見ると、大和も視線を追って、その子を見つける。
間…。
キョロキョロしながら、しきりに誰かを探してる様子。
目線は上の方ばかり見てるから、おそらく大和だろう。