ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「うげっ!!」

大和が言ったのと、ほぼ同時に、間はこっちに気付いた。

パァッと笑顔になって、こっちに向かって来る。

「んじゃ、彼女と仲良くな」

ポンッと軽く、大和の肩を叩く。

「お前逃げる気かよ!ってか、彼女じゃねぇ!!」
「いいじゃん、付き合えば。間、結構カワイイし」

さっきのお返しとばかりに、大和をからかう。

「うーむ…確かに…って、やめろって!!」
「大和ぉーっ♪」

背後から間の声が聞こえ、距離が近くなっていくことが分かる。

「頑張って♪」

また大和の肩を叩いて、俺は間とは反対側に歩こうとする。

「裕也…」

さっきとはまるで違った声で呼ばれ、俺は大和を見た。

「お前、もう少し自分の気持ちに素直になれよ」

大和は、いつになく真面目な顔で言った。

「…」

俺は何も言わず大和に背を向け、返事の代わりに、プラプラと手を振った。

言われなくても、とっくに自分の気持ちに素直になってるよ…。

大学に行きたいのだって、自分の意志だし、

それが苺を悲しめるのも、分かりきっていたことで、

こうなるのも、予想していたのかもしれない。

それでも俺は、自分の希望する進路を選んだ。
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