ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

欲しい物、二つは手に入らない。

どちらかを手に入れるなら、

どちらかを手放さ手放さなくちゃ、無理なんだ。

もし…今俺が苺を引き止めても、きっと上手くはいかない。

俺にとっても、
苺にとっても、

悪い方へと進む…。

なら、別れる他ない。


だけど…。


振り返って見ると、間に腕をしっかり掴まれ、て歩いて行く大和が見えた。

探してしまう…。

間の近くに、居るんじゃないかと…。

苺が…居るんじゃないかと−…。


やっぱり苺は見当たらなかった。

どんなに人込みの中に居たって、小さなあの子を見つけられるって、少し自惚れてたけど…

どんなに周りを見ても、見つけられない…

もう見つけられない。



この日を境に、俺は苺を探さなくなった。
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