ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「ただ手伝ってくれただけだよ」
あたしは二人に言う。
「それだけぇ?」
メグちゃんが、顔を近付ける。
あたしは返事の代わりに、笑顔で返した。
本当にただ…それだけ。
見つめられたのに、意味なんかないよね…。
でも、裕くん…
切なそうな顔してたよ−…。
どんな気持ちであたしを見たの…?
まだ、あたしを好きで居てくれてるの…?
それとも…。
期待と不安が胸を渦巻く。
前に進みたいと思いながら、裕くんとは未だに止まったまま…。
「じゃあ、作戦2だねぇ…」
ボソッとメグちゃんが言った。
「え…?」
あたしは上手く聞き取れなくて、聞き返す。
「「何でもないっ!!」」
「…?」
何故か、メグちゃんと由紀ちゃんは、口を揃えた。
「それよりっ!苺、ツリーお疲れ!電気付けてみよっか!」
由紀ちゃんは少し慌てて、コンセントを挿した。
あたしはツリーを見る。
まだ昼で部屋が明るいから、電気を付けても、輝きは目立たない。
だけどあたしには、一部だけ輝いて見えた。
ツリーの一番上のお星様−…。